ユニット性能の調整による環境変化
- カマキラス・デストロイアなど群攻ユニットのコスト増による低速化
前環境で猛威を振るったカマキラスやデストロイア連打戦法だが、それぞれのコストが5まで引き上げられたことで「数で押し潰す」戦法は取りにくくなった。が、ステータス自体はそれほど変わってはおらず、コスト5と考えると依然としてこれらのユニットはコスト比性能が高い。特にカマキラスの群れはそのまま通すと地上系リーダーは一気にHPを削られてしまうため、対抗策は必ず持っておく必要がある。
とはいっても、カマキラスの群れとデストロイアが両方入っているようなデッキ編成は減っており、どちらか一方のみを採用している場合が多い。基本的にミサイル1発や在来線爆弾で処理されること、それらの兵器系ユニットに対するコストアドが無くなったことでテンポが取れなくなったことなどが理由。ほぼ2枠を割くのがマストであった前環境にくらべ、デッキ編成の多様性を許容できる余裕が生まれたと言える。
これらの影響として、コスト3-4のユニットを中心とした面展開を高速に行っていた前環境に比べ、コスト4-5を主体とした戦いになったことで全体的に低速化した。 - 大型ユニットや進化ユニットの需要とユニット単体の生存価値上昇
コスト3の群攻ユニットが次々と現れる中では、コスト7のゴジラや進化に20-30秒もかかるようなユニットの採用はそれだけで不利に繋がる選択肢だった。環境の低速化により、スピードは遅いが盤面に影響を与えやすいこれらのユニットにも出番が増えた。デッキの採用枠にも空きが出来たこととも合わせ、どのユニットを採用するかにより戦略の多様性を許容する下地が出来たといえる。ミサイルや在来線爆弾などの直接攻撃系兵器の採用率も相対的に減ったため、特に進化前のステータスが脆いモスラやバトラのようなユニットにも採用の余地ができた(前環境では基本的に常に何かしらの飛び道具が飛んでくる修羅の国状態だった)。
これらのユニットは、かけるコストや時間の点から「どれくらい盤面に生存できたか」でコスト対パフォーマンスが上昇する。ゴジラであればコスト4-5のユニット1体は処理した上で敵リーダーに2-3発はパンチを入れる働きは期待されるが、やはり大振りで隙の多い動きであるため、大型ユニットを中型ユニットや支援兵器でどうやってサポートし盤面に生存させるかといったテクニックが重要となった。
採用枠に余裕ができたこともあり、大型ユニットを支援するためのエスパーコーラスなどの補助ユニット採用も増えた。特にエスパーコーラスは、ミサイル系に弱いモスラやバトラなどの華奢なリーダーの生存性を高めたり、低速化により終盤戦までもつれ込んだ場合のヘルスアドを取るなど様々な場面に適用できる利点がある。 - デッキ編成の先鋭化
前環境では、カマキラス+デストロイア+アンギラス+ミサイル+在来線と、7枠中5枠がほぼ決まっている状況だったのでデッキの多様性が生まれにくかった。今環境では据えるリーダーと採用するユニットにより、戦略自体が異なる様々なコンセプトのデッキが生まれ、それぞれの長所短所への理解と改良を経て先鋭化が進んでいる。いくつか例を挙げると、
①ゴジラリーダーのバランス型
ゴジラというリーダーユニットがステータスの面で強く、防御面でも攻撃面でも優秀なので、その分自由度の大きい編成が組める。万能型。必殺技の効果を考えると生存性の高いコスト5以上のユニット(アンギラスなど)が採用されやすい。ウルティマの超射程スナイプと攻撃力バフが上手く重なると気持ちがいい。全体的に動きが大振りになりカマキラスの群れやステルス戦闘機などに裏を取られると対処がしにくい点と、相手のユニット召喚ゴジラに対抗する術に乏しくリーダーゴジラのヘルスを使ってしまうことが多いのが難点。
②モスラリーダーのゴジラ特攻型
初手ゴジラ召喚してリーダーまで到達したらモスラ必殺技で超回復バフを付けてイージーウィンを狙う速攻型。基本的に相手の初手を見て侵攻ルートを決めてから動いてくる。たまにステルス戦闘機で特攻してくるがモスラの必殺技テキストを良く読んだ方が良い。自分のやりたいことを押し付ける形のためハマれば強いが、リーダーモスラのステータスが脆弱なため攻められると逆に弱い。ミサイル系の弱体化で一気に台頭してきたデッキといえる。エスパーコーラスでモスラを一瞬で回復させてやる気デストラクションさせてきたりもする。
相手をする場合、相手のやりたいことに付き合って防戦にコストを割くより、ゴジラ→必殺技の隙をついてガイガンやモゲラなど高速にリーダーのHPを削れるユニットを送り込んでカウンターを決めた方が勝てる場合が多い(後述の攻防非対称性)
③メカゴジラリーダーの施設型・バランス型
メカゴジラはユニットとして使うとコスト4でそこそこの戦闘力+アンギラスにない対空性能があり、リーダーで使った場合もゴジラに匹敵する耐久性とノックバックの強力な(=盤面の攻防を入れ替えられる)必殺技をもつ、と汎用性が非常に高い。現環境ではメカゴジラをリーダーに据える理由は、「ゴジラがユニットとして使える」という点が大きいかと思う。上述のモスラ鱗粉にバフを受けたゴジラが特攻してきても、プラズマ・グレネイドでノックバックさせることで回復バフを無駄打ちさせる戦法が取れるのも強み。施設系の生産速度バフはハマれば強いが、調整により耐久値はあがったものの基本的に施設の生存性が低く、コストも大振りであるため攻めている時には強いが守りに弱いという点を払拭できないのがネック。
④バトラリーダーの直接攻撃型
時々いる。モスラよりは単体の攻撃性能があるバトラをリーダーに据え、ガイガン・モゲラ・ステルス戦闘機などの直接攻撃系や飛行ユニットをそろえ、プリズム光線と組み合わせて素早く敵ヘルスを詰めにいく編成。守りを無視した戦術のため、如何に相手の侵攻を抑えつつ、ノーガードな侵攻ルートを見つけて攻め込んでいくかがカギになる。
デッキの分類が進んだことで、序盤の展開で相手のデッキ内容や戦略のコンセプト、戦術として使ってくるアクションを読むという楽しみも増えてきた。先に動くべきか、相手の出方を見てカウンターをするべきか、要所要所でのそういった判断に環境やユニット特性への理解度が明確に反映されてきているのが、ゲームとして成熟してきているのを感じられて良い。 - 攻防の非対称性、攻めながら守るという戦い方
ユニットごとの生存性が上がったことと展開の低速化により、面で押し合いをするような攻防が薄れ、盤面上で「攻めているルートと攻められているルート」が明確に分かれやすくなった。そのため、相手の攻めを如何に捌きつつ(リーダーのヘルスを守りつつ)、防戦一方にならないように、相手側のコスト消費の隙間をうまくついて、敵ヘルスを削り侵攻ルートを開拓するためのユニットを送り込んでいくような、攻めながら守る or 守りながら攻めるような戦術の重要性が増した。デッキ編成もそれを受けて、攻め一辺倒の構成だけでなく、守りに使うユニット、攻めに使うユニット、それぞれをサポートするユニット、と役割を分担し、それらの枠をどれだけ割いて全体のバランスを取るかという視点が必要になった。
今使っているデッキ
上記の環境理解を経て、現在自分が使用しているのは以下のデッキ。
上述の分類でいえばメカゴジラリーダーのバランス型。基本守りに使用する在来線爆弾(トドメにも使用可)とデストロイア、攻め・守りどちらにも支援として使える支援枠としてエスパーコーラスとメーサー戦車、攻めのラインを押し上げるゴジラと、飛び道具的に使って相手に防御行動を強いるモゲラ、進化しやすく、どう使ってもダメージソースになるヘドラを進化枠に据えている。
戦績としてはチャンピオン帯で勝率7割前後といったところ。現在15連勝中。
以下、ちょっとした小ネタ。
- 逆在来線爆弾としてのモゲラの使用
モゲラは地中侵攻時にも地上ユニットに縦一列のダメージを与えることができるため、カマキラスの群れなどを中央ルートで雑に展開してきた相手へのカウンターにも使用する。モゲラは基本的に最初に使う=奇襲的に使う時が一番強い。ターゲットの優先度が移りやすいため、モゲラ召喚に合わせてカマキラスなどをリーダー周辺にデコイとして撒かれると何もできずに沈むことも多いので、召喚のタイミングには気を付けたい。ゴジラなど他ユニットでタゲをまずとり、できれば相手の防御対応後に差し込み的に使うと最もパフォーマンスが高い。 - ビルを挟んだメーサー戦車ビーム
メーサー戦車の攻撃(orビーム系かつ建物を対象にしない攻撃全般?)はビルを貫通することができる。そのため、ダメージを与えたいユニットとビルを向かい合わせにするように配置すると、ビルが盾の役割となって一方的にダメージを与えることができる。バグなのか仕様なのかは謎。攻撃時はユニットの自動性や相手の対応から活用するのが難しいが、防戦時には戦車は基本的にタイマンを避け火力支援に使いたいため、使いたいテク。
追記
「メタを読んで有利が取れるマッチの多いデッキを握る」という戦略性も出てきて、ますますゲームとして面白くなってきた。